本来だったら気候も良く、沢山の人に来ていただけるつもりだった5月、
まさかの事態に、お店を開ける事すら声高に言えないような、不思議な時間を過ごしています。
みやもとさんとも、ワークショップをやりたいね、という事で、
本当は毎週お店に滞在していただき、リメイクをお受けするつもりでスケジュールを組んでおりました。
それが、こんなことに。
みやもとさんは以前お店にいらしたときに、お人形を操って見せてくれた、なんだかとっても不思議な人。
ゆっくりとしたテンポと細い声、独特のファッションに身を包み、佇まいには自分が信じている事を貫いてやる強さが見え隠れします。
そんなみやもとさんが、この状況に身を置きながら
考えて考えて考えてくれたのが、この展示です。
普段はハーブの勉強をしながらハーブティーを扱うお店で働いていらっしゃいます。
不要不急の自粛をしなければならない今、何ができるのか。
その中で、古くから薬や癒しとして使われているハーブとともに、
『お守り』という提案をしてくれました。
みやもとさんが作った小さな妖精のような
『星ちゃん』
『ちょうちょ』
中にはリンデンやラベンダーが入っています。
そして、本来店頭でお受けする予定だったリメイクには、ハーブ入りの『お守り』が付いています。
いたずら書きのようなそのステッチの向こうには
色、糸、針目、布地、ビーズ
偶然のようでいてそうではない、
考えつくされているようで、でも偶発的な、
迷いと沢山の時間が透けて見えます。
「これは何?」
と思う人もいるでしょう。
これはまだ未完成だと感じる人もいるかもしれません。
でも、未完成のような、いたずら書きに見えるようなものは
作れそうで作れないのです。
なぜなら、ほとんどの人には
完成地点が見えていないから。
「出来た!」とちゃんと見えているみやもとさんは
きっとこれからも筋を通して物を作っていく強い人なんだな、
と思っております。
展示は今月末まで。
ぜひご覧ください。